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エッセイ 「私とADA」皆様からの”ご応募作品」兵庫県 H.Y 様

「おっ!これはボルビティスヒュディロティですな!」

声にだして言いたい水草ランキング1位(私調べ)がテレビに映し出されて、私はこれ見よがしに叫んだ。

私は最近少しずつ水草の名前を覚えていっている。


7年前のあの日…彼氏が金魚すくいでとってくれた出目金を飼いたくて、ホームセンターで小さな水槽を買った。
あの日まで…あのあたりまでは、アクアリストは私のはずだったのだ…。


あの日の彼氏は夫になり、いま夫の部屋にはありとあらゆる水草の生い茂る120センチ水槽が鎮座している。

壁には、ADAカレンダーの袋をわざわざ切り取った白地のADAロゴが貼り付けられている。

水槽の下に収納された流木を取り出して遊ぶのは2歳の娘だ。



そう、これは私とADAではなく、ADAに心臓を捧げた夫とその家族の物語である。



2019年、夫は突然言い出した。
「アクアリウムのコンテストがある!これ出すわ!」

その日から、夫の水槽を見る目はキラキラと、また変態的に輝き出した。

取り寄せた新しい照明を仕事帰りに取りに行き
、帰ってくるや否やご飯も食べずに設置し始め、

「みて!このAQUASKY RGBの赤の発色の違いを!」

と力説し、これ以上の喜びがあるだろうかという顔をする。


コンテストのランキング発表の日が近づくとそわそわと落ちつかず、発表のあとは抜け殻となる。



そんな水槽の具合を競うことに一喜一憂する夫はあまりにも楽しそうで、私は羨ましくなった。

「私も出してみようかな。」

と夫に伝えると、大賛成でバックアップしてくれることになった。


実際にやってみると、レイアウトした直後は
「イケてるじゃん!」
と思っても、しばらく経つと
「なんだこれ?荒いわぁ。」
と落胆し、やり直しを繰り返す。

当時一歳の娘は授乳中で、時間との戦いでもあった。



そして今、夫と共に結果発表をソワソワと待っている。
まかり間違って私のランキングが夫より上になることを、私は何よりも恐れている…。





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